執筆に際しての留意点

2022年4月1日改訂・施行

研究倫理に関して

研究倫理については,言語系学会連合の定める「研究倫理に関するガイドライン」 を遵守すること.なお,本学会誌における不正行為は,「研究倫理に関するガイドライン」を踏まえ,以下の通り定める.

1.捏造

架空のデータ・研究結果等を作成すること.

2.改ざん

データ,研究結果等を真正でないものに加工すること.ただし,調査もしくは実験の対象者のプライバシーに配慮した加工を除く.

3.盗用

他者の考え,データ,研究結果等,及び,他の学術誌で既に公開した自己の考え,データ,研究結果等を,出所の適切な表示なく使用すること.ただし,掲載が決定するまでは投稿者に関する匿名性を確保すること.

4.剽窃

インターネット上で公開されているものも含め,他者の著作物の表現を出所の適切な表示なく使用すること.

5.不適切なデータ収集

十分な説明と意思確認を行わずに調査もしくは実験を行うこと,および調査もしくは実験の対象者の意思に反した方法や,対象者の心身に害を与える可能性のある方法によってデータを収集すること.

「投稿規定」に関して

「2.1 投稿原稿の種類(論文ジャンル)」に関して

2.1.1 既にショートノートとして採用された原稿に加筆して,研究論文として新たに投稿できるか
執筆要領で説明されている趣旨に合致し,なおかつ新規性が認められるものは投稿可能です.以下の二重投稿に関する説明をご覧になり,二重投稿にならないようご注意ください.

「2.2 投稿原稿の内容」に関して

2.2.1 「未公刊」の内容とは

公刊とは,原稿の種類を問わず,既に印刷され,または所定の形式で電子化され,公開されることです.未公刊の内容とは,公開されていないものを指します.

2.2.2 二重投稿とは

二重投稿とは,同一著者,もしくは,少なくとも 1 名を含む同一著者グループによって既に公刊されていることを開示することなく,同一の情報を投稿することです.同一と見なすかどうかは,新規に投稿する論文によって,先行する論文,出版物に新たな知見をどの程度追加できるかによります.記述言語,文体,体裁等の差異は問いません.なお,本誌では,既に採択が決定した口頭発表ないし発表論文集に投稿する原稿,科学研究費補助金などの研究報告書に掲載する原稿,公刊されない修士論文や博士論文の一部,機関リポジトリなどウェブ上で公開のみされる予定の博士論文は,二重投稿の対象としません.

2.2.3 二重投稿を避けるために気をつけること

一部でも重複した内容を扱う場合には,新規に投稿する論文の中で先行論文が存在することを明記して引用してください.また,投稿時に提出する誓約書に,先行論文に関する書誌情報と,新規に投稿する論文の新規性を説明してください.

2.2.4 研究対象や分析手法を変えた内容は二重投稿に該当するか

二重投稿に該当するかどうかは,新規に投稿する論文によって,先行する論文,出版物に新たな知見をどの程度追加できるかによります.なお,一つの研究を複数の小研究に分割して細切れに出版することは,「サラミ出版」などと呼ばれ,業績の水増しになるだけでなく,全体としての研究意義の把握がしにくくなり,他の研究者に無用な手間暇をかけさせる点から問題視されています.また,このことから,投稿する論文の表題は,「その1」などとするのではなく,必ず1本の独立した論文にふさわしいものにしてください.

2.2.5 一連の研究で収集した大きなまとまったデータの分析結果を複数に分けて投稿すると,二重投稿に該当するか

大きなデータの異なる箇所や対象を分析した原稿のそれぞれに新規性が認められれば,二重投稿には該当しません.いわゆる「サラミ出版」に陥らないよう,それぞれの独立性,及び,新規性には充分注意してください.

2.2.6 投稿中が指す期間とは

当該論文の投稿日から,掲載日,採否通知日,または投稿取り下げ日(取り下げが認められた日のことを示す)のいずれか早い日までの間です.本誌または他誌で既に不採用が決定した内容に関する投稿は,二重投稿に該当しません.ただし,不採用となった理由をよく検討し,必要な修正をしたうえで投稿してください.

2.2.7 不適切なデータ収集を避けるには

研究対象者には十分に説明を行って承諾を得て,自由意思のもとで参加してもらって調査や実験を行ってください.事前に調査や実験の目的を詳細には説明できない場合,まず可能な範囲で概要を説明し,事後に詳細な説明を行ってデータ利用への同意を得るなどしてください.

2.2.8 研究倫理に関して参考にできる資料

本学会が参加する言語系学会連合が,研究倫理に関するガイドラインを定めています.また,
独立行政法人日本学術振興会「科学の健全な発展のために」編集委員会(2015)『テキスト版 科学の健全な発展のために―誠実な科学者の心得―』
 にも詳細に解説されています.

「投稿の手順」に関して

「2.投稿の際に必要となる物」に関して

2.1 投稿者の匿名性の確保の方法

投稿者の氏名,所属は,掲載が決定するまで伏せてください.投稿者自身が著者に含まれる先行研究等は,著者名を確実に伏せ字にして引用してください.本文も,執筆者が特定できないような書き方を心がけてください.

2.2 調査,もしくは実験の対象者の匿名性の確保の方法

調査もしくは実験の対象者の特定につながる情報は,プライバシー保護の観点から,仮名の使用,記号化,線画化などによって伏せてください.対象者の社会属性やデータ収集の地域など,研究の位置づけを明確にするために必要な情報は,対象者が特定されないように留意して示してください.これらの情報を査読者が求めることもあります.

「3.査読及び刊行スケジュール」に関して

3.1 原稿の修正で気をつけること

原稿の修正は,査読コメントの趣旨,または具体的な点に沿って行ってください.そのうえで,修正した箇所について,査読コメントに沿って回答メモを作成してください.なお,査読コメントとの対応が確認できないほどの改変が判明した場合には,査読を打ち切ることがあります.

3.2 「掲載不可」と判定された原稿をそのまま再度投稿することができるか

新規の投稿は可能です.しかし,問題点を残したままでは,再度,同じ判定を受ける可能性が高いです.それにより,投稿者の時間だけでなく,査読を担当する他の研究者の時間と資源までも浪費されます.ですから,できるかぎり,掲載不可となった理由をよく検討して必要な修正を行ったうえで投稿してください.